可動域改善には【ホールドリラックスとコントラクトリラックス】

関節可動域を広げる効果的な方法はないかな?

PNFストレッチって聞いたことあるけど、どんな方法?

こんなお悩みを解決します。

この記事の内容

・可動域を広げるのに効果的なホールドリラックスとコントラクトリラックスとは?

・ホールドリラックスとコントラクトリラックス、筋肉の収縮の仕方

・ホールドリラックスとコントラクトリラックスのやり方

今回紹介するホールドリラックスとコントラクトリラックスは、筋肉が原因で関節の動きに制限がある人が、関節可動域を広げるためにやるにはとても効果的な方法ですので、筋トレをはじめ様々なスポーツや日常で役立てますので、覚えておいて損はありません。

それでは解説していきます。

可動域改善に効果的なホールドリラックスとコントラクトリラックスとは?

ホールドリラックスとコントラクトリラックスとは、主にパートナーと一緒にやるもので、受け手側がパートナーの指示に従いながら力を入れたり抜いたりしてストレッチを受けることで、関節可動域が数段に高まる方法です。痛みの原因が筋肉にある場合には、痛みの緩和にも非常に効果的です。

筋肉の促通や柔軟性を高めたり、痛みを改善する効果も期待できます。

PNFって聞いたことありますか?

PNFとは、固有受容性神経筋促通法(proprioceptive neuromuscular facilitation)といって筋肉や関節などについているセンサー(受容器)を刺激し、その反応を利用することで筋肉の問題を解決していく方法です。

PNFは1940年代に医師や理学療法士により構築された手技で運動療法としてリハビリで用いられることから始まり、次第に一般の方やスポーツ現場でも多用されるようになり一般の方やスポーツ選手などに行う方法はPNFストレッチとして知られています。

つまり、PNFストレッチで行うホールドリラックスとコントラクトリラックスとは、PNFの考えをもとに一般の方やスポーツ選手などのコンディショニングを整えるために利用した手法ということです。

PNFは捻りや対角線的な動きを伴ったもので、抵抗のかけ方など難易度はたかいものですが、筋肉の特性を理解してやってもらうとある程度の効果は得られますのであきらめずにやってみてください。

ホールドリラックスとコントラクトリラックス【筋肉の収縮の違い】を理解する

どちらも筋肉の問題に対してアプロ―チしていく方法ですが、それぞれの筋肉の収縮のしかたが異なります。

・ホールドリラックス:等尺性収縮(とうしゃくせいしゅうしゅく)

・コントラクトリラックス:等張性収縮(とうちょうせいしゅうしゅく)

詳しく見ていきましょう。

ホールドリラックス

等尺性収縮を利用します。

等尺性収縮とは、筋の長さが変わらないままで力を発揮する方法で、アイソメトリック収縮ともいいます。関節の動きが無いのが特徴です。

等尺性収縮した後に筋肉をストレッチすると、筋緊張が緩和されるという働きを利用して可動域を広げる方法です。

力の入れ方は、ゆっくり軽めで大丈夫です。

痛みがある時には、ホールドリラックスの方が有効に働きます。

コントラクトリラックス

等張性収縮を利用します。

等張性収縮とは、一定の力をかけながら関節を動かします。こちらは、力を出す時に関節の動きを伴います。

力加減は、軽めからはじまりある程度力を入れてもで大丈夫です。

こちらも可動域拡大に有効ですが、痛みがある場合はホールドリラックスを選択します。

ホールドリラックスとコントラクトリラックスのやり方

それでは、それぞれのやり方について解説します。

まずは、

ホールドリラックス

・パートナーは、受けて側の目的とする筋肉を伸ばし、抵抗感を感じながら最終可動域までストレッチします。(15秒程度)

・そこから伸ばされた筋肉を収縮させるように指示するとともに、関節が動かないように抵抗を加えます。(3秒~5秒程度)

・その後、パートナーはリラックスをするよう指示し、力が抜けたら目的の筋肉を伸ばすようにゆっくりストレッチを加えます。(15秒程度)

・広がった可動範囲を保ち、受け手に再び床方向に力を入れるように指示し、パートナーは関節角度を変化させないように保ちながら、3秒~5秒保持します。

・再びゆっくりストレッチを15秒程度入れます。

これを3~4回繰り返して行います。

ゆっくりやることがポイントで、少しづつ可動域が広がっていくのがわかると思います。

例えば

ハムストリングが目的の筋肉だとすると

・受け手は床にあお向けで寝て、パートナーは片足を持ちゆっくり股関節を曲げていきます。

・抵抗感が出て、もう足が上がらなくなったら、ストレッチを15秒行います。

・その後、受け手に踵を床に押すように指示し、3秒~5秒力を入れてもらいます。

・この時、パートナーは踵が床側に動かないように(関節が動かないように)しっかり保持します。

・力を抜いてもらったら、パートナーはゆっくり足を上げて(股関節を曲げて)15秒程度ストレッチします。

これを3~4回やっていくと、徐々に可動域が広がり、足が上がる角度が広くなっていくのが感じられます。受け手側もストレッチされている痛みも緩和するとともに可動域の広がりに気づくと思います。

次に

コントラクトリラックス

・パートナーは、受けて側の目的とする筋肉を最終可動域でストレッチします。(15秒程度)

・パートナーは、受け手にストレッチ方向(股関節を曲げる方)に力を入れるように指示します。パートナーはそれに抵抗を加えます。(5秒程度)

・その後、受け手に力を抜いてもらい、パートナーは再び可動域を広げるようにストレッチを15秒行います。

ここまでが1工程で、これを3,4回繰り返すと関節可動域の広がりがみられます。

こちらも

ハムストリングで例えると

・受け手は床にあお向けで寝て、パートナーは片足を持ちゆっくり股関節を曲げていきます。

・ハムストリングに抵抗感が出てもう足が上がらなくなったら、ストレッチを15秒行います。

・次に、受け手に足を上げていく(股関節を曲げる)ように指示するとともに、パートナーは床方向に抵抗をかけます。(5秒程度)

・その後、受け手に力を抜いてもらいパートナーは更に足を上げていきハムストリングをストレッチします。(15秒程度)

これを3,4回繰り返します。

受け手も、パートナーもハムストリングが柔くなり関節可動域が広がってくるのが感じられると思います。

最後に関節可動域改善に有効な方法をもうひとつ、

スローリバーサルホールドリラックスの紹介

スローリバーサルホールドリラックスとは、前2種目の筋肉の収縮(等尺性収縮と等張性収縮)を組み合わせておこなう方法で、こちらは関節可動域の拡大と筋肉の力を出しやすくしたり、安静向上に効果が見込めます。

そのやり方は、

ストレッチ(15秒)→

ストレッチしている筋肉に等尺性収縮(5秒)→

すぐにストレッチをしている筋肉の拮抗筋に等張性収縮(6秒)→

ストレッチ(15秒)

これを3,4回繰り返して行います。

これが

ハムストリングだとすると

先ほどと同じようにハムストリングのストレッチ(15秒)→

足を床に押して等尺性収縮(5秒)

すぐに足を上に上げるように(股関節を曲げる)等張性収縮(6秒)

ハムストリングのストレッチ(15秒)

※黄色マーカー下線部では、ホールドリラックスとコントラクトリラックスと同様にパートナーが抵抗を加えます。

これを3,4回繰り返すという形になります。

最後に

この方法は、パートナーの熟練度が効果がでるか出ないかのカギを握ります。目的を理解して、しっかり狙った筋肉にアプローチしながら繰り返し練習してると次第に出来るようになりますので、まずはやってみてください。

今回はここまで。

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