筋トレでスクワットをやっているけど膝の痛みに悩まされていませんか?
なぜスクワットで膝の痛みがでるか知りたくないですか?
こんなお悩みを解決します。
この記事の内容
・なぜスクワットで膝の痛みには柔軟性が重要なのか?
・スクワット動作と膝痛に関連する関節の動きを理解しよう
・膝痛改善への道、スクワットの基本フォームを見直そう
スクワットは筋トレにおいてBIG3のひとつで、筋トレ初心者から上級者まで誰もがトレーニング種目に取り入れていると思います。
その一方で、膝の痛みに悩まされているトレーニーの方も多く見受けられます。
スクワットは、正しくやると一般的な膝痛、変形性関節症の予防やO脚改善・予防などにとても有効に作用します。
つまり、どれだけいいトレーニング方法でも、そのやり方や体の使い方が間違っていると自分に不利益に働いてしまうということを頭にとどめておかなければなりません。
【筋トレ】なぜスクワットで膝の痛みには柔軟性が重要なのか?
筋トレでスクワットをやった時、膝の痛みを予防するには、柔軟性が必要です。
しかし、ごく一般に言われている床に手がべたッとつくとか、開脚が180度できるとかの柔軟性とは違います。
スクワット動作は、背骨、股関節、膝関節、足首など複数の関節が複合して動くことで達成される動作です。
膝痛の予防には、これらの柔軟性を見直すことで改善のヒントに繋がります。
柔軟性改善にはストレッチが有効です。ストレッチについては下記にまとめてあります。
まず、はじめに
膝関節の動きを理解しよう
膝関節は、蝶番(ちょうつがい)関節に分類され、曲げる、伸ばすがメインに働く関節です。(蝶番とは、ドアの開け閉め部分の金具を想像してもらうとわかりやすいでしょうか)
わずかな捻り(回旋)の動きもありますが、大きくは曲げ、伸ばしの動きです。
スクワットで膝の痛みがでる原因を単純に考えると、膝関節に過度の負荷がかかっているか、関節の動きが生理的可動範囲外で強い負荷を受けて動作している場合です。
ちょっと難しい言葉がでてきましたね、
生理的可動範囲外とは、本来の関節の動く範囲を超えたものです。
つまり、膝痛の原因は、必要以上の負荷がかかっているか、使い方が間違っているか、この2つということです。
【筋トレ】スクワット動作と膝痛に関連する関節の動きを理解しよう
筋トレでスクワットをやる時に膝痛予防で抑えておくべき関節は4つ
1、背骨
2、股関節
3、膝
4、足首
スクワットで膝痛予防には、この4つの関節の柔軟性が重要です。
では、詳しくみていきましょう。
その1:背骨
スクワットでは背骨がある程度伸展して(背骨が反る動き)、脊柱起立筋を収縮させることで重いバーベルを担ぐことができます。
猫背姿勢が強いままでバーベルを担ぐと、上体は前方へ移動するため、その力を抑えるために、大腿四頭筋が強く働いて膝に負担が強いられます。
試しに、極端な前傾姿勢で100メートルほど歩いてみると大腿四頭筋に強い張りを感じられるのがわかると思います。
過度な大腿四頭筋への負荷は、膝痛の原因のひとつに上げられます。
第1には、背骨の伸展の柔軟性が必要です
その2:股関節
筋トレでスクワットをやる時に、股関節が硬いと致命的です。
スクワットは、フルスクワットが基本ですね。
バーを担ぎ、ボトムポジションに達した時に股関節の動きが硬いことで背骨まで後弯(後ろに丸くなる)が強くなります。
そうなると、膝だけでなく腰痛の原因にもなります。
股関節の硬さをカバーするために、膝で調節する人がいます。
ボトムポジションに向かう時に、自然と膝を前方に出していきます。
スクワットで膝がつま先を超えて過度に前にでてしまうと、膝関節に剪断力が働き、膝痛の原因になります。
※剪断力とは、水平方向で逆の働きが作用することです。
膝関節でいうと、大腿骨が前に行こうとする力と、脛骨がその場にとどまろうとする力が、互い違いに膝関節に働くということです。
例えると、前に歩こうとした時に後ろから服を引っ張られて進むことが出来ない状態です。
前に行こうとする力と後ろに引っ張る力
股関節の柔軟性はお相撲さんの腰割りや四股踏みを参考にするとわかりやすいですね。
対戦前には、しっかり腰を落として準備してから相手とぶつかります。
股関節が硬く、腰が立った力士は概ね敗戦することからもわかるでしょう。
股関節の柔軟性は、力の安定と怪我予防に繋がります。
人では、もっとも大切な部分です。
その3:膝関節
スクワット動作でもっとも動く範囲が広いのは膝関節です。
膝関節そのものに柔軟性が欠如していると当然、膝の可動範囲が狭くなる分だけ痛みとしてでることが多くなります。
・膝が伸びきらない時は⇒ハムストリングや内転筋群の疲労や柔軟性の低下
・膝を曲げる時に踵が大腿部につかない⇒大腿四頭筋の疲労や柔軟性の低下
膝関節の曲げ伸ばしに制限がある場合は、この2つが関係します。
膝関節それ自体の柔軟性も必要ということです。
その4:足関節
足関節、いわゆる足首の曲げ伸ばしの柔軟性は、スクワットで膝痛改善のためには隠れた改善ポイントです。
なぜかというと、
実際にご自身でやってもらうとわかりやすいですが、普通にしゃがむ時に足首を曲げないでしゃがむことはできませんよね。
例えば、足首をテーピングや包帯でガチガチに固めて、無理にしゃがもうとすると膝が前に出ていしまいます。
そうすると、膝が必要以上に前方へでてしまうため、先ほどの股関節でも言ったように、膝への剪断力が強くなることで膝痛の原因になりえるのです。
スクワットで高重量を担いだ時に足首が硬いことで、膝への剪断力が強くなり、膝に過度の負担が強いられるのは想像できるでしょう。
足首の背屈(つま先を上に曲げる動き)の柔軟性は、膝を伸ばした時と膝を曲げた時の2つの可動域を保つことがポイントです。
これを踏まえたうえで
膝痛改善への道、スクワットの基本フォームを見直そう
筋トレにおいてスクワットで膝痛を改善するためには、先ほどの柔軟性を実際のスクワット動作に活かす必要があります。
フォームチェックには、鏡の前でやることと、第3者に見てもらいながらの方がいいですね。
パーソナルトレーナーに見てもらうと確実ですが、ジムトレーナーでもとりあえずOKです。
まずは、
普段のスクワット動作をやってみよう
フォーム修正はとても根気がいります。特に今までの筋トレフォームに慣れている中・上級者の方は。逆に筋トレ初心者の人は意外と早く修正できたることが多いです。
でも、あきらめないでやってみてくださいね。
はじめに、今まで通りのスクワット動作をやります。
スクワットフォームを横から見てもらいます。
注意1:スタートポジション
スタートポジションでは、担いだバーの延長線上に足部の真ん中(土踏まずの中心付近)が来るようにセットします。
まず、この位置がずれていると、
・前方に傾いてる→大腿四頭筋や脊柱起立筋に負担が大きい
・後方に傾いてる→姿勢が不安定
のような現象が起こります。
姿勢調節しにくい場合は、バーを担ぐ高さを変えてみましょう。
はじめに、担いだバーと足の中心部を合わせましょう。
注意2:ボトムポジションまで
膝を曲げてボトムポジションまで移動する時に、必要以上につま先より前に膝が出ないようにします。
ポイントは、ボトムポジションまでの動作でも、バーが足関節の中心上にあることです。
柔軟性が原因で膝が前にでる理由は、股関節と足首を曲げる柔軟性が低下してると起こりやすいので、こうした問題がみられたら、いちどバーを置いて自重スクワットで確認してみましょう。
股関節と足関節の柔軟性の改善後に再度やってみましょう。
時々、やや重量を上げた方がスクワットフォームが安定する場合があるので、膝の痛みがあまりない場合はこの方法でのフォーム修正もおすすめです。
注意3:立ち上がり
最後のボトムポジションからフィニッシュ動作では、柔軟性より筋肉の使い方が問題となることが多いので、気を付けることはバーの起動です。
つまり、足関節の延長線上をバーが移動していくことです。
スクワットフォームで気を付けることは、スタートポジションからフィニッシュまで、足関節の中心部の延長線上に常にバーが位置しているということです。
そうすると自然に脊柱、股関節、膝関節、足関節の柔軟性が重要なことに気づき、膝の痛みが出にくいフォームに修正することができてきます。
最後に
今回は、スクワットで膝の痛がでる原因を予防、改善するために柔軟性の観点から解説しましたが、柔軟性とともに重要なものが筋肉の働きと関節の動きです。ごく一般に健康な人が筋トレをやっていて、膝の痛みが出る原因は、オーバートレーニングか使い方の間違い(misuse)、そしてこの両方が掛け合わされた時です。そうした意味でも、関節の柔軟性を日頃からチェックしておくことは、怪我予防にはとても有効な方法だといえます。
筋トレは続けることで効果がでるので、怪我や痛みなくトレーニングできることが最低条件ですね。
今日もよりよい筋トレを。
今回はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。