ベンチプレスをやると肩が痛い
日常でも腕を上げたり、捻ると肩につまりや痛みが出る
こんな場合は、肩インピンジメントの可能性があります。
この記事の内容
・肩インピンジメントとは
・ベンチプレスで肩インピンジメントが起こる原因
・ベンチプレスで肩インピンジメントから抜け出すために
ベンチプレスをやるとなぜ肩が痛い【肩インピンジメント】とは
ベンチプレスで肩の痛みに悩まされている方は少なくないと思います。肩の痛みがきっかけでベンチプレスを中止している、なんてこともよく聞きます。
そこで今回は、よくある肩の痛みとして、肩インピンジメントというものがあるので解説していきます。
肩インピンジメントとは
インピンジメント=衝突を意味している
肩インピンジメントは、腕を動かした時に関節のズレが生じて骨同士の間隔が狭くなり、ぶつかることで、その間にある筋肉や腱を挟み込み肩に痛みやつまりなどがでるものです。
肩のどこで、インピンジメントが起きているのか
多くは、肩関節の肩峰(けんぽう)と上腕骨頭(じょうわんこっとう)の間でインピンジメント(衝突)が起きます。
外から見るとこのあたり
このような感じで骨同士の感覚が狭くなり、インピンジメントが起こります。
肩インピンジメントの特徴
・肩を動かして、一定のポジションにきた時に痛みやつまり感がでる
・肩関節を捻る動き(外旋・内旋)で痛みが誘発される
基本的に肩インピンジメントでは安静時には痛みがありません。
ベンチプレスで見られる肩インピンジメントは、上腕骨頭が前に出て起こるケースです。
ベンチプレスで肩インピンジメントが起きる原因は?
・筋肉のバランスが崩れている
・肩甲骨の位置に問題がある
・体が伸展できない
ベンチプレスでこのようなことが続くと、
ベンチプレス動作時に上腕骨頭(腕の骨)に前方へ出て関節にズレが生じます。
ベンチプレスでは、バーベルの上下移動の際に上腕骨頭が前方へ変位(移動)したままトレーニングすることで、肩インピンジメントが発生しやすくなるのです。
つまり、ご自分のベンチプレス動作を第3者の方に横方向から見てもらうと、肩が前に出ている姿勢でベンチプレス動作を行っているということです。(特にバーベルを胸に下ろしてくる時と挙げる時)
それでは詳しく見ていきましょう。
✔︎ 筋肉のバランスが崩れている
主に肩インナーマッスルとアウターマッスルのバランスの崩れがインピンジメントにつながりやすくなります。
肩インナーマッスルは関節の軸を保ち、肩が動いている時にも関節を安定させる働きがあります。
アウターマッスルの働きは、大きな動きをしたり力を出す時に主役として使われます。
インナーマッスルが弱い→関節が安定しない
この状況で、
アウターマッスルが強い→関節が安定しないまま肩を使う
そうすると、
安定性がないままで肩を使うことになるので当然インピンジメント(衝突)が発生します。
少し、ショベルカーを想像してみてください。
エンジンがアウターマッスルだとして、バケットを動かすまでのアームが動く部分をインナーマッスルに例えると、アームの支えが弱いといくら大きな力を出せたとしても、重いものを救う前にガタ付きがでたり、壊れたりしてしまいます。
話を戻します。
強すぎる筋肉や硬さが出やすい筋肉は、大胸筋や広背筋など。
大胸筋はベンチプレスの主動筋です。積み重なるトレーニングで大胸筋だけが発達しすぎたり硬くなりすぎると、上腕骨頭を前に引く力がつよくなり、肩関節にズレが起こりやすくなります。
また、
広背筋と大胸筋は、腕を内旋(内側に捻る)させる働きがあり、肩関節に内旋が強くなると腕が上がりにくくなります。
試しに、手の親指を内側に目一杯捻った状態で腕を上に上げてみてください。肩を超えた付近で上がらなくなると思います。
反対に手のひらを外側に捻って上げてみてください。頭の上まで上がりますね。
人間の構造上、肩が内旋(内側に捻る)した状態では、肩関節の隙間が狭くなって動かしにくくなるのです。
このため、大胸筋と広背筋はしっかりストレッチなどでメンテナンスが必要になります。
合わせてインナーマッスルのトレーニングが必要になります。
※肩のインナーマッスルのことを回旋筋腱板または、ローテーターカフともいいます。
✔︎ 肩甲骨の位置に問題がある
ベンチプレス開始時の肩甲骨は、内転・下制が基本です。
肩甲骨を背骨に寄せて、少し下に下げたポジションです。
ベンチプレススタート時にこれができていないと、肩関節が不安定になります。
内転・下制をすることで肩甲骨(肩関節)を地面と平行に近づけることができ、上腕骨頭が前方へ移動しにくくなります。
そうすることで、インピンジメントを予防でき、高重量にも対応できるようになります。
✔︎ 体が伸展できない
これは、体を反ることができない、あるいは反る動きが硬いということです。
体が伸展できないとなぜだめなのか?
先ほどの肩甲骨の内転・下制(背骨に寄せて、下げる)の動き、これは背骨の動きと一緒にやることが重要だからです。
どういうことかというと、
ベンチ台に仰向けになり軽く体を反ることによって、肩甲骨が背骨に近づけやすく(内転)なるのです。
背骨を曲げた姿勢で肩甲骨を背骨に寄せることは難しいですよね。
ベンチプレスで肩インピンジメントを抜け出すために
インピンジメントが起きないようにご自身で取り組める方法は、
・ストレッチ
・インナーマッスルトレーニング
・ベンチプレスのフォーム修正
✔︎ ストレッチ
主に大胸筋、広背筋を入念に。
大胸筋のストレッチ
壁と平行に立ち、ストレッチする側の手を肩の高さで壁に付き、肘を70〜80度くらい曲げます。
ストレッチをする側の肩甲骨を背骨に寄て、体を反対方向へ捻ります。
広背筋のストレッチ
一番簡単な方法は、チンニングバーなどにぶら下がります。
肩が痛い時は、足を着きながら無理せず行い、可動域が出てきたらアンダーグリップに持ち替えてゆっくり脇を伸ばしていきます。
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✔︎ インナーマッスルトレーニング
主に捻り動作が基本です。
こちらの動画のような動きです。
参考:Youtube;Shoulder External Rotation(With Cable)
✔︎ ベンチプレスのフォーム修正
先ほどの肩甲骨の位置(内転・下制)がしっかり保たれているか、バーベルを上げた時に肩甲骨が外転(外側に開く)していないかをしっかりチェックしてください。
肩インピンジメントの実際の運動やストレッチに関して、こちらの動画にまとめられていましたので、軽度のうちは試してみるのもいいです。
参考:Youtube;肩のインピンジメント予防
痛みが強くなる場合はくれぐれも注意してください。
まとめ
肩インピンジメントは、今でている現象にすぎません。これが発展すると腱板(インナーマッスル
損傷や肩峰下滑液包炎など発展する可能性もありますので、違和感やちょっとした痛みを感じているうちに対処した方が、後々にひきづることが少なく、トレーニングにも影響を最小限に抑えることができますので身体チェック、フォームチェックは癖づけて行うことをおすすめします。
今回はここまで。