相反抑制ってなに?
ストレッチや筋トレでは効果が上がるの?
こんな疑問にお答えします・
本記事の信頼性
この記事を書いている僕は、トレーニング歴25年、ジムトレーニング経験13年、パーソナルトレーナー歴6年ほど。
骨格筋には色々な働きがあり、体の仕組みを理解することで、ストレッチや筋力トレーニングの効果を上げるヒントにもなります。
相反抑制(そうはんよくせい)とは
相反抑制とは相反(あいはん)する筋肉で起こる神経反射のことです。これは、拮抗筋(きっこうきん)で起こる神経反射です。
筋肉の中には、筋紡錘という長さを感知する受容器があり、主動作筋が収縮すると筋紡錘に接続している神経が脊髄に信号を送り、脊髄を介して拮抗筋に筋緊張を抑える信号が伝わることで、拮抗筋の筋緊張を緩める働きが起こります。
これを相反抑制(そうはんよくせい)または、相反神経抑制(そうはんしんけいよくせい)と呼びます。
例えば、膝を伸ばす筋肉は大腿四頭筋で、拮抗筋はハムストリングです。
大腿四頭筋が収縮する時には、拮抗筋であるハムストリングが弛緩していなければ膝を伸ばす際にブレーキがかかっていることになり、上手く膝を伸ばすことができません。
大腿四頭筋が収縮した時に、神経伝達がスムーズに起こり、相反抑制によりハムストリングが弛緩することで、膝をスムーズに曲げることができます。
相反抑制はストレッチに利用できる
相反抑制をストレッチで利用することにより関節可動域の拡大が期待でき、日常のストレッチや運動前のウォーミンにも効果を期待できます。
スタティックストレッチで利用する場合
下肢を上げて股関節を屈曲するストレッチ(SLR)を例にとると、スタティックストレッチでゆっくり下肢を上げていきます。
ストレッチ感を感じてきたら、ストレッチされているクライアントが自分で大腿四頭筋を収縮させて下肢を上げるように力を入れることで、大腿四頭筋の収縮にともなってハムストリングが緩むことで、関節可動域の広がりが期待できます。
ダイナミックストレッチで利用する場合
ダイナミックストレッチは筋肉をリズミカルに動かしながら徐々に筋肉の柔軟性を高めて、関節の動く範囲(可動域)を広げていく方法で、股関節を曲げていく際に、徐々に大腿四頭筋に力を入れて股関節を曲げる動作を繰り返すことで、ハムストリングの弛緩が起こり股関節の屈曲可動域が広がっていきます。
筋トレで利用する
相反抑制は全ての拮抗筋で起こるものではありませんが、主動作筋が働いている時に、拮抗筋がリラックスしておいた方が、力を発揮しやすいことに変わりはありません。
そこで目的の動作に対しての拮抗筋をストレッチなどでリラックスさせておいて、主動作筋のトレーニングをすると、力は出やすくなることは想像できると思います。
目的の筋肉のトレーニング効果を引き出すために、はじめに拮抗筋のトレーニングを行なってから主動筋のトレーニングを行うスーパーセット法というトレーニング方法もあります。
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まとめ
相反抑制は、主動筋が収縮すると拮抗筋が弛緩するという、人体のの生理的反射の一つです。これを理解して、ストレッチや筋トレに応用することにより、自分の体への気づきも高まり、トレーニング効果もアップすること間違いないですね。
今回はここまで。
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