立つ、座る、歩くなど自分で意識することなく体を支えている筋肉があります。
それは、姿勢保持筋です。
重力に抗して姿勢を保つ働きをしている筋肉を姿勢保持筋(しせいほじきん)とか、抗重力筋(こうじゅうりょっきん)と呼びます。
姿勢保持筋は自分の意識と関係なく無意識で活動することで姿勢を保ってくれます。
筋トレで姿勢改善するためには抗重力筋(姿勢保持筋)を理解しておく
姿勢保持筋(抗重力筋)は主に、前側と後ろ側の筋肉に分けられます。
参考:姿勢の教科書
体の前側の姿勢保持筋は
足部から頭部へ順に
・前脛骨筋
・大腿四頭筋
・腸腰筋
・腹筋群
・頸部屈筋群
体の後ろ側の姿勢保持筋は
・下腿三頭筋
・ハムストリングス
・大殿筋
・脊柱起立筋
・頸部伸筋群
人は2本の足で立っているので、横方向の安定性は比較的保たれますが前後方向の抵抗に対して不安定感がつよくなります。
そして、内臓や体幹の重さが常に前側に働いているので、この力を抑えるために後方から制動する力が働いています。
姿勢保持筋の中でも体が前に倒れないように姿勢を保つ役割をしている筋肉を主要姿勢筋とよびます。
主要姿勢筋
・ヒラメ筋
・大腿二頭筋長頭
・脊柱起立筋
・頸部伸筋群
主要姿勢筋は足首、骨盤、脊柱、頸部など体を安定するためには欠かせない部分をしっかり維持する働きをしています。
このことからもわかるように、
背中の筋肉がしっかりしている人は、姿勢が良く見えます。
姿勢保持筋(抗重力筋)は、無意識でも姿勢を維持してくれますが、長時間いすに座っていると前傾姿勢が長くなることから腹筋群や頸部の前(頸部屈筋群)の筋肉の緊張が高くなってきます。
いつも体幹の前側の筋緊張が強い姿勢を続けていると、脳はこの姿勢や筋肉の収縮をインプットしてこれが正しい姿勢と思い込んでしまいます。
そうすると、座るたびにこのような姿勢をとることにより、肩が前方へ巻き込みいわゆる猫背姿勢がつよくなります。
このことから、
姿勢改善のための筋トレをやる場合は前後の筋肉の柔軟性と筋力バランスが必須です。
脊柱や股関節を支えるための脊柱起立筋や大殿筋などの働きは十分か、
また、座位において肩が前側に巻き込みが強い場合には、大胸筋や小胸筋、腹筋の柔軟性はどうか
合わせて、肩甲骨を脊柱に引きつける役目をしている、菱形筋や僧帽筋などの働きを確認する必要がありますね。
姿勢改善を目的とした筋トレやる場合には、最低限脊柱を支えている筋肉を見直す必要があります。
良い姿勢を保持するためのヒントは拮抗筋のバランスです。