筋力トレーニング後の超回復ってどんなもの?
こんな疑問にお答えします。
本記事の信頼性
この記事を書いている僕は、トレーニング歴25年、ジムトレーニング経験13年、パーソナルトレーナー歴6年ほど。
トレーニングの原理・原則では、継続してトレーニングをしないと効果はでないとお話ししましたが(反復性の原則)、休みなくトレーニングすればいいというわけではなく、筋力トレーニングをしたら筋肉を回復させるために適度な休養が必要になります。
筋肉痛と力発揮
筋力トレーニングで追い込むと、筋肉は疲労して、目にみえない細い筋線維にはキズがつき、筋線維が壊されます。これが筋肉痛の原因です。
この筋肉にキズがついた状態では、筋肉にダメージがある状態なので、強い力を発揮することはむずかしくなります。
筋肉にキズがついた状態でトレーニングをするとさらに傷口が悪化して力がでないばかりか、逆に筋肉がやせてしまいます。
例えば、手などを切って、皮膚にキズがついている時に、さらに手を使い続けると傷口がふさがるのが遅くなるばかりか、キズがもっと悪化してしまう。と思ってもらうとわかりやすいでしょう。
そのため、トレーニング後は筋肉をほどよく休ませてあげる必要があります。
休ませることでパワーアップ、超回復とは
人間の体には、ホメオスタシスが働いています。
ホメオスタシスとは、体内の内部環境を一定に保ち続ける機能のことです。かぜなどで体温が上昇すると、内分泌器官や自律神経などの働きにより、無意識に体温を下げてもとに戻ろうと働きだします。ケガをした時なども傷が治るのは、ホメオスタシスのおかげです。
それと同様に、筋力トレーニングによってキズがついた筋肉には、回復する力が働きます。
そして、筋肉が回復する時に、以前の力より強い力が発揮できるようになります。
これが、超回復です。
ここの、ちょうど筋肉が回復してきたタイミングで、トレーニングをすることでさらにパワーアップすることができます。
すると、トレーニングすると筋肉はまたキズがつく ⇒ 休養をとってキズを回復 ⇒ 回復してきたらトレーニングする ⇒ さらにパワーアップ。
このようなローテーションをくり返していくことによって、確実にパワーアップを見込めるわけです。
これは、他の怪我にもあてはまります。
例えば、骨折したあとで骨がくっついた時には、骨折した部分はもとの骨より丈夫になります。
このようなことを考えると、筋トレといわず、日常生活でも適度な負荷は必要なのかもしれませんね。
超回復の期間は
超回復を見込んだ筋力トレーニングをするには、筋肉が回復する目安を知っておく必要があります。
筋肉の超回復は、トレーニング後から48時間から72時間とされています。トレーニングで追いこんだ部分は、だいたい2日、3日あけてトレーニングするとさらなるパワーアップが期待できます。
しかし、トレーニング後から次のトレーニングまでの期間を開けすぎてしまうと、筋肉がもとに戻ってしまうために筋力トレーニングの効果が薄れてしまいます。
ここで注意が必要なのは、個人差やトレーニング強度、トレーニング部位においても筋肉の回復期間は、違ってきます。
トレーニング部位においては、大筋群とよばれる、胸筋群や殿筋群、ハムストリングスや大腿四頭筋などと、小筋群の前腕や上腕などの、筋力トレーニング後の回復を比べた場合には、優位に腕の筋肉の方が早く回復します。
これは、手を動かす筋肉は前腕からついていますが、細かい多様な動作をする分だけ一つの筋肉に対しての神経や血管の数が多くついているため、筋肉痛からの回復速度も早くなります。
ベンチプレッサーとかウェイトリフティングなどの競技を目指しているのでなければ、4日、5日と続けて筋力トレーニングする場合には、追い込む部分を分けてトレーニングした方がおすすめです。
例えば、1日目:胸部中心のトレーニング 2日目:臀部から下肢 3日目:腕や肩 4日目:背筋群 5日目:胸 などのように大きな筋肉のトレーニングの間に腕などのトレーニングをまぜてあげるといいと思います。
私自身も競技と合わせてトレーニングしていた時には、目的の強化部位を決めて、1日ごとに分けてトレーニングをしていました。
超回復の目安は、2日か3日くらいと言われていますが、実際にはトレーニングしていて筋肉痛が少なくなるタイミングやトレーニングしたいという意欲もあわせて、超回復期間を自分の体で覚えていくことがいいと思います。
筋力トレーニングは重い重量をあげていきますので、筋肉が回復してもそれなりの集中力がないと、重量も上がりませんので、日常のメンタル面も考えながら筋力向上へ向けてトレーニングしてください。
まとめ
筋力トレーニングで効果を出すには、適度な刺激と休養、トレーニングをするタイミングが大切ということです。
日常活動でもいえることですが、遊びでも仕事でもまったく休みなく続けていると、身心のどこかに不調をきたすのと同じように、トレーニングでもただ量をやればいいのではなく、トレーニングする頻度とタイミングを考えた方が効率的に成果がでるということです。
この超回復の考えは、筋力トレーニングでは基本的な考えになりますので、超回復法を考えたうえでトレーニングメニューを組み、定期的にメニューを見直していくことで、効率的に目的達成へ向かうことが期待できます。
今回はここまで。